logo


		       EB ライブラリ Windows 版
	    CD-ROM 書籍にアクセスするための C のライブラリ


1. はじめに

EB ライブラリは CD-ROM 書籍にアクセスするための C のライブラリです。
このソフトウェアは、もともとは UNIX 系システム向けに開発されました。
本パッケージは、EB ライブラリを Windows 上で Visual Studio 6.0 を用い
てビルドさせるためのファイル一式を提供します。

EB ライブラリは EB, EBG, EBXA, EBXA-C, S-EBXA および EPWING 形式の
CD-ROM 書籍に対応しています。これらの形式の CD-ROM 書籍は、日本で一般
的に使われています。CD-ROM 書籍自体は ISO 9660 形式になっていますので、
他の ISO 9660 形式と同じ要領でマウントすることができます。

また、EB ライブラリは幾つかのユーテリティコマンドも提供しています。

	ebfont		CD-ROM 書籍内の外字のフォントデータを取り出す
	ebinfo		CD-ROM 書籍に関する情報を出力する
	ebrefile	CD-ROM 書籍のカタログファイルを構成し直す
	ebstopcode	CD-ROM 書籍の本文の区切りコードを検査する
	ebunzip		CD-ROM 書籍を伸長する
	ebzip		CD-ROM 書籍を圧縮する
	ebzipinfo	CD-ROM 書籍の圧縮情報を出力する

ebappendix コマンドは Perl スクリプトのため、本パッケージでは提供して
いませんので、ご注意下さい。

バージョン 4.0 から、EB ライブラリは他のホストの書籍にアクセスできる
ようになりました。遠隔アクセス用の識別子を使うことで、他ホスト上の
CD-ROM 書籍を指定することができます。この識別子は、次のような形式をと
ります。

	ebnet://<ホスト>:<ポート>/<書籍名>	  (CD-ROM 書籍本体)
	ebnet://<ホスト>:<ポート>/<書籍名>.app	  (付録パッケージ)

<ホスト> は遠隔ホストの IP アドレスもしくはホスト名です。ただし、IPv6
アドレスを指定する場合は、アドレスを `[' と `]' で囲む必要があります。
(注: バイナリ配布版では IPv4 でしか通信できません。)

<ポート> は、そのホストが待ち受けているポートの番号です。ホストが待ち
受けているポートが標準の 22010 番であれば、`:<ポート>' の部分は省略可
能です。

以下に例を記します。

	ebnet://eb.example.com/dict
	ebnet://eb.example.com:22010/dict.app
	ebnet://192.168.1.1/dict.app
	ebnet://192.168.1.1:22010/dict
	ebnet://[fe80::290:27ff:fe3]/dict.app
	ebnet://[fe80::290:27ff:fe3]:22010/dict

遠隔アクセスを行うには、EBNETD を <ホスト> 上にインストールする必要が
あります。EBNETD は、EB Library 用の遠隔アクセスサーバのソフトウェア
です。

EB ライブラリはフリーソフトウェアです。ソースコードおよびバイナリを、
いわゆる Modified BSD ライセンス の下で使用することが可能です。
(バージョン 4.1 よりも前のものは、GPL を採用していました。)
ライセンスに関して、詳しくは COPYING.txt という英文のファイルを参照
して下さい。

最新の EB ライブラリは次のところから入手できます。

	https://github.com/mistydemeo/eb/releases

EB ライブラリに関する情報は次のところから得ることができます。

	http://www.mistys-internet.website/eb/

コメントやバグの報告は

	m-kasahr@sra.co.jp

宛に、日本語か英語でお送り下さい。


2. ソースコードからのビルド

Windows 用ソースコード配布版を用いて EB ライブラリをソースコードからビ
ルドするには、Visual Studio 6.0 が必要です。EB ライブラリのソースコー
ド配布版と、それに対応するバージョンの Windows 用ソースコード配布版を
用意し、同じディレクトリに展開します。つまり、展開後は作業ディレクトリ
上に

	eb-<version>-win32\
	eb-<version>\

というサブディレクトリが存在するようにします。この状態で、Visual
Studio にワークスペースファイル

	eb-<version>-win32\eb.dsw

を読み込ませ、ワークスペース内の全プロジェクトのビルドを行って下さい。


3. 生成されるバイナリについて

何の修正もせずにそのままビルドした場合、もしくはバイナリ配布版を使用す
る場合、バイナリは次のような特徴を持ちます。

    * 遠隔アクセス
      対応しています。ただし、IPv6 には対応していません。

    * メッセージの国際化
      対応しています。ただし、使える文字コードはシフトJIS だけです。

    * マルチスレッド
      対応していません。

なお、バイナリ配布版に収めているバイナリは、`Release' ターゲットでビル
ドしたものです。


4. 他のアプリケーションへのリンク

EB ライブラリをリンクしたアプリケーションを配布する場合は、最低限
`eb.dll' を一緒に配布する必要があります。もし、メッセージの国際化機能
(eb_error_message() の国際化) を使いたい場合は、`locale/eb.mo' も一緒
に配布します。

`eb.mo' は、起動されたアプリケーションの存在するディレクトリから見て

	locale\LC_MESSAGES\Japanese\eb.mo
	..\locale\LC_MESSAGES\Japanese\eb.mo

のどちらかの位置に置いて下さい。